株式会社と合同会社 どっちがいい?


個人事業主の方又はこれから起業しようとしている方、法人を設立するときの会社形態はどうしていますか。

会社といえば株式会社が一般的ですが、他の会社形態があまり知られていないということもあり、株式会社として法人を設立することが広く行われています。

しかし、設立費用が低いなどの理由から合同会社の設立も近年増えています。

では、その他の会社形態は本当に選択肢として考えられないのでしょうか。

1.会社形態には何があるか

会社形態には「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4つがあり、会社法で規定されています。株式会社以外は持分会社として分類され、出資者が経営を行うことになり、所有と経営が分離されている株式会社とは異なります。

合名会社は、会社の債務者に対して直接の責任を負う無限責任社員で構成される会社形態です。

一方、合資会社は、無限責任社員と有限責任社員で構成される会社形態です。

どちらも無限責任社員が会社の債務者に対して制限なく返済する責任を負い、社員個人の財産から返済をしなければいけなくなる可能性があることが大きな特徴です。

合名会社や合資会社は選択されることは少ないので、以下では株式会社と合同会社を中心に見ていきたいと思います。

2.株式会社と合同会社の違い

株式会社とは、株式を発行して資本金を調達した会社で、出資した範囲内で責任を負う(間接有限責任)株主によって構成される会社です。

所有(出資者)と経営(取締役)は分離しており、経営によって得た利益を出資者に分配する形態をとっています。

もっとも中小企業の場合は、出資者と社長(取締役)が同一となっている場合が多く、厳密に所有と経営が分離しているとは言えないこともあります。

一方で、合同会社とは、出資者全員が間接有限責任を負う社員で構成される会社です。株式会社との大きな違いは、出資者=経営者であるため、所有と経営が一致していることです。

3.株式会社のメリット

3.1. 認知度、信用度が最も高い

株式会社は多くの企業が採用している会社形態で、国税庁の「平成27年度分会社標本調査」によれば、約264万社のうち、94.3%にあたる約249万社(旧有限会社を含む)が株式会社となっています。

一般に知れ渡っていることから、取引先の開拓や金融機関からの融資、従業員の採用など信用力が必要な局面では株式会社が有利といえます。

3.2 上場ができる

将来会社の規模を拡大して、ゆくゆくは上場したいとお考えの場合は、最初から株式会社の方がよいでしょう。合同会社でも途中で株式会社に組織変更はできますので、合同会社でスタートしてもよいのですが、変更の際にコストがかかりますので、変更のコストを考えれば、最初から株式会社でスタートする方がよいと考えられます。

4.株式会社のデメリット

4.1 設立費用が高い

株式会社の場合は、定款の認証手数料、登録免許税など最低でも約20万円はかかります。これに定款の電子認証でない場合は印紙代がかかったり、印鑑の作成費用、司法書士などの専門家へ設立手続を依頼した場合の報酬などを加えれば、30万円程度となることもあります。

これを高いとみるか必要コストと考えるかは人それぞれでしょうが、合同会社と比較すると高いといえます。

4.2 役員の任期がある

株式会社の場合、役員には任期があります。取締役の任期は2年ですが、株式譲渡制限会社では、定款で最長10年まで延長することができます。

中小企業の場合は、親族や信頼できる人を取締役にしているため、10年でも問題の生じるケースはないとは思いますが、外部の人材を取締役にしている場合は、トラブルのもととなることもあるので、安易に10年としないようにしましょう。

また、注意しなければならないのは10年という長い期間がたつと、任期満了による登記手続を失念してしまうということが起こり得ます。登記手続を失念してしまうとペナルティを課されますし、最終の登記から12年を経過してしまうと、法務局によるみなし解散登記をされてしまうこともあります。

4.3 決算公告義務がある

株式会社の場合、一定の事項について公告を行う義務が生じます。公告を行う方法は定款に定めるか、又は定款に定めていない場合は官報に公告することになります。

公告は決算公告のほかに会社法などで法定の公告が定められており、公告を怠ったり、不正の公告をした場合はペナルティが課されます。

しかし、残念ながら中小企業の多くは決算公告を行っていないのが現状です。

5.合同会社のメリット

5.1 設立費用が低い

合同会社は定款の認証が必要ないことや登録免許税が最低6万円と少ないことから、その他の諸経費を考慮しても株式会社よりも設立費用が低くなります。

ただし、設立費用が低いことのみをもって合同会社を選択するのではなく、他の要素も考慮して選択するようにしましょう。

5.2 経営の自由度が高く迅速な意思決定が可能

合同会社は会社法に違反しない限り、定款を自由に定めることができるため、会社運営方法を柔軟に行うことができます。

また、株式会社の場合、配当は出資割合に応じて配分することになりますが、合同会社の場合は、会社への貢献度に応じて配分するなど柔軟な利益の分配が可能です。ただし、社員同士で利益の分配に関するトラブルが生じる可能性があるので、合理的な配分方法をあらかじめ決めておくのがよいでしょう。

6.合同会社のデメリット

6.1 株式会社と比較して信用度の面で劣る

合同会社は、会社法で導入された会社形態で導入されてまだ10年程度と歴史が浅く、合同会社について一般に理解されていないという現状があります。

株式会社よりも劣るということはありませんが、取引先や金融機関からの理解が得られにくくなる可能性はあります。

なぜ合同会社にしたのかなどの理由は明確にしておくことやB to Cビジネスなどでは合同会社でもあまり影響がないケースもあります。

また、個人事業主から法人化する場合で、すでに事業の基盤がしっかりしていれば合同会社でも問題ないケースがあります。

6.2 代表者は代表取締役と名乗れない

合同会社の代表者は出資者全員ですので、株式会社のような代表取締役を名乗ることができません。取締役は株式会社における役職だからです。

出資者が1名の場合は、出資者=代表社員となりますが、出資者が複数名いる場合、誰が会社の代表者であるかわかりにくく権限も明確ではなくなるため、通常出資者(=社員)の中から代表者を決め、代表社員とします。

代表社員ではない社員は業務執行社員となります。

では、代表社員はどのように名乗ればよいのでしょうか。社員=従業員というイメージが強いので、「社長」「代表」「CEO」など会社の代表を標榜するような肩書をつけるケースが多いようです。社長などの名称は法令上の名称ではないため、自由に決めることができます。ただし、その点は定款に定めておきましょう。

7.まとめ

株式会社、合同会社双方にはそれぞれメリット、デメリットがありますが、業種、会社の規模、将来の目標、資金調達の必要性などを考慮して会社形態を選択する必要があります。

具体的には次のようなものです。

・設立費用をどの程度見込むか

・顧客や取引先に対して株式会社にする必要があるか

・将来会社を大きくするか(株式上場も視野に入れているか)

・外部からの資金調達が必要か

その中でもやはり大きな要素は第三者からの目や信用力でしょう。まだまだ歴史が浅く認知度が低い合同会社にはデメリットの側面が強いですが、今後合同会社が定着するためには課題を克服することが必要です。税務や社会保険加入などの面では株式会社と合同会社に違いはないため、現状では特別な事情がない限りは株式会社をお勧めしています。

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