飲食店の稼働率と回転率


稼働率と回転率は飲食店の経営において、重要な経営指標の一つです。

売上計画をたてるため、収益性を測るため、メニューを決めるためなど、様々な場面での決定要素となるものです。

稼働率と回転率とはなにか、それを上げるためにはどのような方法が必要かについて考えてみたいと思います。

1.稼働率と回転率

1.1稼働率とは何か

稼働率とは、お店の席数に対してお客様がどのくらいの割合でいるかを表す指標です。例えば、30席のお店にたいしてお客様が15人いる場合、稼働率は50%となります。お店の売上は客数×客単価で決まりますので、稼働率を上げ客数を増やすことは売上の増加につながります。

よほどの繁盛店でなければ常に満席ということはありません。平均的な稼働率は70%程度といわれていますが、業態によって変わってきます。

1.2回転率とは何か

回転率とは、お店の1席あたり何人のお客様が利用したかを表す指標です。1席あたり1日10人のお客様が利用すれば、回転率は1日当たり10回転となります。これをお店全体で考えると、30席あるお店に1日当たり150人のお客様が利用すれば、回転率は1日当たり5回転と計算されます。

稼働率と同様に客単価が変わらなければ回転率を上げることでも売上の増加につなげることができます。

2.稼働率と回転率を上げるためには

2.1稼働率を上げる方法

稼働率を考える場合、提供するメニューやターゲットとなるお客様の層を考慮しなければなりません。

お客様が何を求めて来店するのか。例えば、短時間で食事を済ませるために一人で来店されるのか、家族、会社の同僚、友人、カップルなどなど、来店する目的とお客様の層を把握することが必要です。

このお客様の層が席のレイアウトを決めるために重要な要素となってきます。

一人あるいは二人のお客様が多く、短時間で食事を済ますお店の場合は、4席以上のテーブル席よりは、カウンター席又は2席のテーブル席をメインにする必要があります。一人又は二人のお客様が多いにもかかわらず、4席のテーブル席が多いと、2席又は3席が不稼働になってしまいます。お店によっては相席をお願いすることで対応している場合もありますが、すべてのお客様が相席でもよいわけではないですし、気持ちよく食事をしてもらうという配慮も必要だと思います。

一人あるいは二人のお客様はカウンター席に案内し、テーブル席は三人以上のみとするなど、お客様を誘導するオペレーションも重要になってきます。

テーブル席が多いお店では、4人掛けテーブルの真ん中にメニューなどをおいて、相席でも違和感のない工夫をしているお店があるのをみたことがあるでしょう。

このように稼働率を上げるための工夫は多くのお店で行われています。

2.2回転率を上げる方法

先にも記載したとおり、売上は客数×客単価として表されますが、客数をさらに分解すると客数は席数×回転率×稼働率に分解できます。したがって回転率が上がれば客数が増え、売上が増加することになります。

しかし、提供するメニューやお客様の層によっては、回転率を上げることではなく客単価を上げることで売上を上げる業態もありますので、回転率ばかりにとらわれると誤った選択をしてしまいますので注意が必要です。ラーメン店やファーストフードなどの客単価が低く食事の時間が短い業態ではどのように回転率を上げるかが課題となりますが、高級レストランなど客単価が高い業態では1日1回転というところもあります。

ここでは回転率を上げるための一般的な方法についてあげてみたいと思います。

回転率を上げるということは、限られた時間の中でできる限り多くのお客様に料理を提供することです。したがって、来店から注文を受けて調理し料理を提供、精算するまでの時間を短縮するための工夫です。

お客様が食事をする時間はお店側ではコントロールできないのでそれ以外の部分で時間短縮を考えます。

注文を受ける段階では、込み合っている時には従業員が注文を取るまでの時間がかかってしまいますので、券売機を導入するという方法が考えられます。券売機を導入する効果は従業員の削減にもつながります。

注文を受けてからは、料理を提供するまでの時間の短縮です。注文を受けて1から調理していては時間がかかってしまいますので、事前の仕込みなどが重要になります。

また、お客様の食事が終わった後、精算までの時間ですが、長居できる環境があれば回転率は上がりません。例えば、コーヒーのおかわり自由やフリーWIFIなどはお客様の来店を促すサービスの一つとして実施しているお店がありますが、回転率は下がってしまいます。

お店の席のレイアウトも重要です。テーブル席よりもカウンター席の方が回転率が上がる傾向にあるため、効率的なレイアウトはどのようにすればよいか検討することが必要です。

3.稼働率と回転率はどのように決めればよいのか

稼働率、回転率など難しい表現でいわれてもわからないという方に、具体的数値を上げてみましょう。売上計画を立てることは飲食店を経営していくうえで非常に重要なことです。

一例として居酒屋で考えてみます。

居酒屋の場合、お昼はランチ営業をしている場合が多いので、昼のランチ営業時間2時間、夜の営業時間は6時間とします。

売上は客数(席数×回転率×稼働率)×客単価で表し、4人掛けテーブル10台で飲食店の一般的な稼働率70%とします。

昼は2時間営業で3回転、稼働率は80%、客単価は1,000円とすると、売上=40席×3回転×80%×1,000円で計算され、売上は96,000円です。

夜は6時間営業で2回転、稼働率は60%、客単価は3,000円とすると、売上=40席×2回転×60%×3,000円で計算され、売上は144,000円です。

合計で1日のお店の売上は240,000円となります。

いかがでしょうか。計算自体はそれほど難しいものではありませんが、稼働率、回転率、客単価をどのように見積もるかが難しいのです。

4.まとめ

稼働率と回転率の考え方はわかったでしょうが、どのくらいで見積もるかが重要です。

融資を受ける場合には、売上計画を立てなければなりませんが、このくらいだろうという安易な計画では融資のプロは見破ります。

ビジネスを行っていく上で、計画どおりにいかないことは多くありますし、甘い売上計画を立てて、行き詰まってしまった経営者の方も多くいます。

また、売上計画だけでなくコスト計算や設備投資、人件費など、しっかりした事業計画のもとに飲食店を立ち上げることが必要です。

場合によっては専門家のアドバイスをもらうことも有用だと思いますので、参考にしていただければと思います。

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