顧問税理士の選び方


顧問税理士はどのように選んでいますか。現在の顧問税理士に満足していますか。

税理士と一口にいっても、バックグラウンドは様々です。資格取得の経緯では主に税理士試験に合格、税務署OB、公認会計士や弁護士の人などがいます。また、実務経験についてでは、自身での事務所経営のみ、他の会計事務所や税理士法人での勤務経験、税務署勤務、民間会社勤務などです。さらに顧問税理士といっても税理士法人もあれば、法人化していない会計事務所もあります。

では、税理士を選ぶときどのような点に注意すればよいのでしょうか。

1.なぜ顧問税理士を選ぶとき注意が必要なのか

税理士といっても様々なバックグラウンドを持っている方がいることはすでに触れました。それぞれ実務経験が異なること、あるいは経営形態も一人事務所から大規模法人まであり、サービスの質や料金、得意な税目や業種など違いがあります。「どの税理士でも同じだからできる限り安いところで」と料金面を重視して選ぶと失敗のもとです。

税理士とは長いお付き合いをすることになりますし、税理士選びに失敗すると経営にも影響を与えることがありますので、慎重に選びたいものです。

一昔前までは税理士は広告が禁止されていたため、税理士を探す手段が限られ知人などの紹介に頼ることが多かったのですが、今ではホームページを持っている税理士法人や会計事務所は多数ありますし、選択の幅が広がっています。

選択の幅が広がった一方で、どの税理士に依頼していいかわからないということもよく聞きます。

それではどのような税理士に依頼すればよいのでしょうか。

以下では、顧問税理士を選ぶ際のポイントをまとめてみたいと思います。

2.価格とサービス内容との関係

税理士の報酬はどのように決まっているのでしょうか。税理士といってもサービス業ですから、基本的にはサービスの内容によって報酬は決まってきます。

平成14年以前は、税理士報酬は税理士報酬規定があり、税目ごとに報酬の最高限度額が決められていました。例えば法人税で年取引金額が2,000万円未満で30,000円などです。しかし、平成143月にこの報酬規定が廃止され自由化されました。今でも古い事務所では、この報酬規定を踏襲しているところが多いのが現状です。

報酬規定があればわかりやすいということがありますが、自由化されて以降は各事務所がそれぞれ報酬を決めているのでなぜこの報酬なのかが見えにくくなっています。

2.1 売上高と訪問回数

月額の顧問報酬は、売上高と訪問回数によって決められていることが多いでしょう。業務量が売上高に比例することが多いことがその要因です。

一般的に売上高が多ければ、それに比例して仕入や人件費、経費も増えるため、チェックする項目が増えるからです。

では単純に売上高で決められているかといえば、一概には言えません1,000万円の売上高が10回と1万円の売上高が1,000回では合計では同じ1億円の売上高でも業務量は変わってきます。また、製造業や建設業などのように原価計算を要する業種の場合も報酬の増加要因となります。

このように売上高を基準としつつも取引内容によって変わる業務量を加味して報酬が決定されます。

また、訪問回数によっても報酬は変動します。お客様への訪問回数についても、要望に応じて、毎月訪問もあれば、年1回決算時のみの場合もあるでしょう。これも報酬に大きな影響を与えます。

2.2 その他の要素

報酬の基準となるものは売上高と訪問回数であることは、前記しましたがその他にも報酬を決定する要素として次のようなものがあります。

それは税理士に依頼する業務によるものです。

顧問報酬のほかに別途決算料が設定されているのが一般的です。決算料とは、期末決算と税務申告を総称したもので、月額顧問報酬の3ヶ月から6ヶ月分を提示している場合が多いでしょう。

また、記帳代行、給与計算、年末調整、税務調査立会などは別途報酬として提示されますが、基本的には依頼した事項の業務量に応じて決められています。

3.税理士の対応

会計事務所へ相談に来られる方で多いのは、税理士に対する不満を口にする方です。不満の原因として多いのは、アドバイスがない、相談に乗ってくれない、レスポンスが遅い、急に報酬の値上げを要求されたなどです。

その中で特に注意しなければならないことについて次に記載します。

3.1 アドバイスがない

税理士への不満として、節税や経営に関するアドバイスがないという声はよくあります。

残念ながら税理士の中にはサービス業であることを認識していない人が少なからずいるのが現状です。単に会計処理のチェック(記帳代行を含む)や税務申告をやっておけばよいという方もいます。しかし、税理士というのは会社の決算内容を把握している唯一の存在です。

銀行等の金融機関も決算内容を分かっていますが、適時という点においては税理士にはかないません。

当然のことながら、決算内容に応じたアドバイスができない税理士に対して不満の原因となります。

先にも触れたとおり、価格とサービス内容には密接な関係があるのが通常です。価格を重視して税理士を選んだ場合には、最低限のサービス以上のことは期待できないと考えてよいでしょう。

また、担当者が誰かということも非常に重要です。比較的大きな税理士法人や会計事務所では、一般的に担当税理士以外のスタッフが業務を行っています。そのため、税務申告の時のみサインをし、実は会社の決算内容がわかっていないということはよくあることです。

そのため、節税や会社経営へのアドバイスなど期待できるわけはありません。

3.2 レスポンスが遅い

税理士への不満としてレスポンスが遅いということもよくあることですが、この理由にも様々なケースがあります。

先の項でも触れましたが、比較的大きな事務所ほどレスポンスが遅くなる傾向にあります。税理士や担当スタッフのスキルによるところも大きいのですが、難易度の高い案件については、スタッフが即答することはまず期待できません。しかるべき専門家の判断を仰がなければ回答できないケースは組織が大きくなればなるほど、レスポンスは遅くなりがちです。

また、多くのお客様を抱えている場合、サービスに見合う報酬が支払われていない先については、後回しにすることがあり得ます。

同じお客様ですから報酬の多寡にかかわらず優劣をつけることはあってはならないことですが、十分な報酬が得られていない先については、優先度が低くなる可能性はあります。

それでは大きな事務所には依頼しない方がよいかというとそうでもありません。大きな事務所には様々な専門性をもった人材がいますので、複雑で特殊な案件に関しては、大きな事務所へ依頼するメリットもあります。

4.まとめ

顧問税理士を選ぶためのポイントを挙げてきましたが、最後の決め手は相性が合うかどうかでしょう。サービスにはそれほど不満はないのだけれど、なんとなく相性が合わないという理由で、顧問税理士の変更を希望する方もいます。

税理士選びに失敗しないためにも、依頼したい事項を複数の税理士と納得のいくまで話しをして決めることが重要であるといえます。

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