会社設立場所のメリット・デメリット


会社を設立するとき、どこにしていますか。オフィスを借りるにしてもイニシャルコストや家賃や光熱費などのランニングコストがかかり、創業直後の負担は決して軽いものではありません。

しかし、コストを抑えるため自宅などをオフィスとするとしてもいくつかのデメリットも考えられます。

そこで設立場所をどこにすればいいかについて、メリット・デメリットをふまえて考えたいと思います。

1.会社設立場所としては

会社を設立する場所をどこにするかは、事業活動上の課題や見通し、コストの面などから悩ましい問題です。設立場所の選択肢としては次の場所が考えられます。

  1. 自宅
  2. オフィスビルやマンション
  3. レンタルオフィス
  4. バーチャルオフィス
  5. インキュベーションオフィス

2.自宅兼オフィス

自宅をオフィスとする場合です。居住場所と仕事場所が同じですので、通勤時間もかかりませんし24時間職場となります。

2.1 メリット

自宅をオフィスとする場合の最大のメリットは家賃や光熱費がかからないということでしょう。創業直後はなるべく固定費を抑えたいものです。しかも条件を満たせば自宅の家賃や光熱費の一部を経費として計上することができます。また、24時間職場ですので、いつでも仕事をすることができますし、育児との両立も可能となります。

2.2 デメリット

取引先が信用を重視する会社である場合は、自宅兼オフィスとすることで取引に支障をきたす可能性があります。また、商談などを相手先で行うようにすること、または自宅で商談することに問題がなければよいのですが、自宅で商談しなければならない場合もあるでしょう。

また、24時間職場ということをメリットとしてあげましたが、一方でプライベートとの区別がつかなくなり、仕事とプライベートとのメリハリがつかないというデメリットもあります。

自宅が賃貸の場合は契約上、事業用として使用できない場合もありますので注意が必要です。

自宅か自宅外かという選択については、業種上別のオフィスが必要かとコスト面でのメリットを勘案して決めてはいかがでしょう。

3.オフィスビルやマンション

オフィスビルや事業用マンションは設立場所として一番多くの方が選択されています。

3.1 メリット

会社の場所というのは、事業を行うにあたって重要な要素の一つです。特にBtoBビジネスの場合は、社会的信用という面で重要となる場合があります。その点、貸事務所に会社を構えることはビジネスの第一歩かもしれません。

また、一等地の最新オフィスビルから雑居ビル、事業用マンションまで様々な貸事務所がありますので、業種、人数などにあわせて多くの場所から選択が可能となります。

3.2 デメリット

貸事務所の場合は一般的に家賃の数か月分の敷金や仲介手数料、貸事務所によっては内装工事が必要、事務所設備や備品の購入などイニシャルコストが大きな負担となります。

4.レンタルオフィス

レンタルオフィスとは、事業を行うために必要な部屋やブース、机やいすなどの備品、共同スペース、会議室などの設備を備えた貸オフィスのことです。独立した個室ではなく固定席やフリーワーキングスペースを利用する形態のものもあります。

4.1 メリット

レンタルオフィスは、都心の一等地に施設がある場合が多く、オフィスビルなどよりも安価に借りることができます。所在地が都心の一等地なので対外的な印象はよいですし、個室を備えた施設もあり、会議室や事務用の備品、複合機まで備えたところもあり、利便性に優れているといえます。

イニシャルコストを抑えるために利用する方が多く、事業の種類や人数などに応じた選択の幅もあり、法人登記や法人口座の開設も可能なところが多くあります。

4.2 デメリット

レンタルオフィスは利便性を高めるため、様々な設備、サービスを備えているところがありますが、そのほとんどはオプションのサービスとなっており、利用に応じて課金されるシステムになっています。利用状況によっては、貸事務所よりもランニングコストが割高になる場合がありますので注意が必要です。

レンタルオフィスの個室は、机といすを置ける2㎡程度のものからありますが、業務のためほとんど外出しており、借りたのはいいがほとんど使わなかったということも起こりえますので、どの程度オフィスで作業が必要なのかも考えましょう。

5.バーチャルオフィス

バーチャルオフィスとは、事業活動に最低限必要な住所や電話番号をレンタルできる架空のオフィスです。レンタルオフィスとの違いは、業務スペースがないことで、バーチャルオフィスとした住所に送られてきた郵便物やかかってきた電話はあらかじめ設定した住所や電話に転送されます。また、送られてきた郵便物は個別のポストで保管してくれるところもあります。

5.1 メリット

バーチャルオフィスは、住所や電話番号をレンタルするだけですので、非常に安価で事業を始めることができます。オフィスを賃貸するときにかかる敷金がなく、レンタル料も数千円からあります。また、ほとんどのバーチャルオフィスは都心の一等地にありますので、取引先への印象が良くなります。

5.2 デメリット

一方で、バーチャルオフィスは公的な信用が低いので、法人口座の開設や創業融資、保険手続きなど会社を運営するにあたって必要な手続きができない可能性が高くなります。また、同じ住所に複数の会社があるため、バーチャルオフィスでは取引に支障が出ることもあります。

バーチャルオフィスによっては様々なサービスを提供しているところがありますが、例えば電話は転送ではなく着信対応しているところもあります。複数の会社の電話応対をしているので、対応が悪いところもあり、取引先に迷惑をかけてしまう場合もあります。また、郵便物も転送ではなく受け取りをしてくれるところもありますが、サインが必要なものや書留などは受け取ってくれないこともありますので、サービス内容についてはよく確認しましょう。

さらに注意したいのは、そもそも会社の登記ができないバーチャルオフィスもあります。

このような問題があることから、法人口座の開設、保険手続、登記ができることを謳っているバーチャルオフィスもあります。

フリーランスで仕事をしているような個人事業主には便利ですが、法人を設立して事業を行うような方には不向きかもしれません。バーチャルオフィスを利用する場合は、これらのデメリットが事業活動にどのように影響を与えるかをよく吟味する必要があります。

6.インキュベーションオフィス

インキュベーションオフィスとは、公的な機関や創業支援をしている民間会社が運営しているレンタルオフィスです。運営主体がレンタルオフィスと異なるということでここでは区分しています。

6.1 メリット

インキュベーション施設は、レンタルオフィスと設備やサービスの点で類似しますが、公的な機関などが運営主体であることから、レンタル料は安価に設定されています。また、レンタル料に対する補助金を出している自治体もあります。

また、事業拡大を図るあるいは特定の業種を支援することを目的として運営されているため、融資などの経営相談や各専門家の支援を受けることができることも特徴です。

入居者は、審査を通過した将来の事業拡大の可能性を秘めた方が多く、同じ志をもった入居者との交流を図ることができるのもメリットとしてあげられます。

6.2 デメリット

メリットの項にも記載しましたが、特定の目的を達成するために運営されているため、入居するには審査があったり入居条件に特定の業種が指定されている場合もあります。インキュベーション施設自体は多くはなく、入居にあたってもハードルが高く、事業の将来性、革新性、精緻な事業計画などが求められます。

7.まとめ

参考になりましたでしょうか。オフィスを決めるということは、事業活動の拠点を決めることですので、重要な判断の一つです。コストの面を重視するあまり、事業活動に支障をきたすことになっては本末転倒です。

どのような業種の事業を行うのか、収支計画はどうか、創業時の設備やスペースはどのくらい必要になるか、将来の事業の拡大の見込みは、通勤時間や事業活動で必要な移動手段は適切か、などを加味して最適なオフィスを選択するとよいでしょう。

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