資金繰りの管理の仕方


会社の資金繰りはどのように管理していますか。

黒字倒産という言葉があるように、会計上利益が出ていても、資金繰りに行き詰まり倒産することがあります。なぜ黒字倒産がおこるかといえば、売上金の回収や仕入代金・経費の支払いに与信に基づいた掛取引や手形取引が行われているからです。つまり発生主義による会計上の利益と資金収支が一致しないために黒字倒産がおこるのです。

そのため損益管理はもちろん重要ですが、同様に資金繰りの管理も非常に重要となります。

1.資金繰り表はどのように作ればいいの

資金繰りの管理の重要性については言うまでもないことですし、現に毎月の資金収支表を作成している会社は多くあります。

しかし、3か月先、半年先、1年先までの資金繰り表を作成・管理している会社は、特に中小企業では多くはありません。

理由は、半年先、1年先の資金繰りの見込みなんてわからない、人手不足だし作成・管理できる人材がいない、そもそも資金繰り表の作成の仕方がわからないというものが大半です。

そのため後回しになっていることが多いのですが、先にも記載したように資金管理は非常に重要ですので、外部の専門家などを利用してでも行い、資金繰り表を経営に活用しましょう。

では資金繰り表を作成するために何が必要なのでしょうか。

資金繰り表には実績と予定と二通りあります。

まず、実績については、試算表があれば基本的に作成できます。それに加えて、現預金出納帳、債権債務明細、固定資産台帳、借入金明細などがより精緻な管理を行うことができます。

一方で資金繰りの予定表については、損益計画や設備投資計画などの事業計画が必要となってきますので、まずは事業計画を作成することから始めます。

2.資金繰り表からわかること

作成された実績と予定の資金繰り表から次のような対応が必要となります。

資金繰り実績については、資金繰り予定表との比較を行い、当初計画した収支予定との差異内容を把握します。

回収が遅れている、あるいは支出が多くなっている場合は、今後の資金繰りに支障をきたす可能性があるため、対応を検討しなければなりません。

場合によっては借入れを行わなければならないケースがあります。金融機関からの借入れは、直前になって依頼しても間に合わない場合がありますし、損益状況や資金収支状況が本格的に悪化した後では借入れを受けられない場合がありますので、余裕をもって対応することが必要ですし、常日頃から金融機関と良好な関係を築いておくことも重要です。

また、当初計画では予定していなかった多額の収支が発生した場合あるいは発生が見込まれる場合は、資金繰り予定表を修正することも必要となってきます。

3.資金繰り表の各項目の見方

資金繰り表では経常収支と経常外収支に分けられます。

経常収支とは、日々の営業活動から経常的に発生する収支で、主に売上代金の回収、仕入代金、経費・人件費の支払等から構成されます。

経常外収支とは、臨時的な収支で、主に借入れや借入金の返済、固定資産の取得や売却、税金の支払等から構成されます。

その他に、営業収支、投資収支、財務収支に分けた資金繰り表など、他の区分方法もありますが、何を重要視するかによって、会社にあった項目区分を設定することが必要です。

ここでは、経常収支と経常外収支に区分する方法を前提としています。

3.1 経常収支

経常収支は、本業から得られる資金収支ですので、これがマイナスの場合は会社の運転資金が減少してくことになります。そのため、資金不足を解消するために、増資や借入れなどの方法によって、資金調達を検討しなければなりません。

3.2 経常外収支

経常外収支は、資金調達及び返済や設備投資などの支出による資金収支です。借入金の返済や設備投資の原資は経常収支ですので、経常収支の範囲内で実行することが必要です。経常外収支が経常収支を上回る状態が続けば、会社の運転資金はやはり減少してくことになりますので、いずれ資金ショートをおこしてしまいます。

この場合には新たな借入れを検討する、借入れの返済スケジュールを変更してもらうなどの対策を講じる必要が出てきます。

4.資金繰り改善の手法

4.1 過大在庫の解消

在庫が滞留している場合は、支払が先行し回収が遅れるため、資金繰り悪化の原因となります。売上の見通しを過大に評価しないで、適正な在庫水準から乖離しないように在庫を管理することが重要です。

それでもすべての商品が予定通りに売れるとは限らず、不良在庫が滞留することがあります。いつかは売れるだろうと在庫を抱えたままにしておくと資金繰りの悪化につながります。滞留した不良在庫については、値引きしてでも現金化し、新たな商品と入れ替えることで売上アップにもつながります。

4.2 回収・支払サイトの見直し

掛取引や手形取引で回収サイトが長い場合は、少しでも回収サイトを短縮することで改善することができます。取引先と交渉することになりますが、交渉がうまくいかない場合は、受取手形であれば手形割引やファクタリング、売掛金でもファクタリングを利用し早期に現金化することができます。

また、支払サイトについては、逆に長くすることによってやはり改善することができます。

これも交渉することになりますが、取引先から信用不安を与える可能性があるので注意が必要です。

4.3 借入条件の見直し

返済スケジュールの見直しのほか、金利の下落局面では借り換えによる金利負担の軽減を行うことが考えられます。 

4.4 人件費・経費の見直し

無駄な人件費・経費について見直すことによってコストを削減することができます。

人件費は固定費で削減することが難しいコストです。業務を効率化することで人員数を削減することができますので、業務の見直しは一つの方法です。また、アウトソーシングできる業務について業務委託することも検討の対象となりえます。例えば経理などの間接業務を会計事務所に委託するなどは、従業員を雇用するよりも人件費削減につながる可能性が高いのでよく利用されています。

人件費については、労働分配率の観点から適正な人件費となっているかについて分析してみることも有用です。

経費については無駄な経費がないか精査するとともに、取引先との交渉や取引先変更によってコスト削減を図ることができる場合があります。

5.まとめ 

いかがでしたでしょうか。現金収支は会社の血液のようなものですから、それが滞れば会社の存続が危ぶまれることになりますので、資金繰り表による管理は思っている以上に重要です。

資金繰り予定表は事業計画と並び重要な経営計画なので事業年度の開始前までに作成しましょう。

スポンサーリンク
スポンサーリンク